遥拝堰(ようはいせき)

 清正公が江戸時代初期に熊本県の球磨川の下流に築いた石積みの堰です。現在の河口から約9㎞の場所にあり、末広がりの形から「八の字堰」ともいわれていました。施工時期は1608年と伝えられていますが明確ではありません。

  八の字型の遥拝堰は、急な流れを弱める効果があり、田畑への引水の効率化や、下流域の瀬や淵の形成をもたらし、アユなどの様々な生物が生息する豊かな自然環境を創出していました。

  昭和に入り洪水などで流出したため新しい遥拝堰が建設され、八の字堰は姿を消しました。

 2019年5月には現在の遥拝堰の下流に八の字堰が復元され、河川改修で瀬が減少した球磨川下流域の自然再生と親水空間づくりに効果が期待されています。

<場所:熊本県八代市古麓町 球磨川>